ユニットケアの基本と目的
介護施設に入所したあとも、それまで住み慣れた自宅での暮らしを継続できるよう配慮された日本独自の個別ケアの手法をユニットケアといいます。最大の特徴は、施設全体を大きな一つの集団として捉えるのではなく、10名程度の少人数を一つの生活単位、すなわちユニットとして構成し、家庭的な雰囲気の中でケアを行う点にあります。
このユニットケアの根底にあるのは、入居者一人ひとりの個性やこれまでの生活習慣、そして何より一人の人間としての尊厳を最優先に尊重するという強い信念です。かつての集団ケアでは、どうしても施設側の効率やスケジュールが優先され、全員が一斉に起床し、同じ時間に食事を摂るという画一的な生活を余儀なくされる場面が多くありました。
しかし、ユニットケアでは入居者が日々の主役となります。朝は何時に起きて、いつお茶を飲み、どのように一日を過ごしたいのかという個々の意向を最大限に反映させることが求められます。
ハード面では全室個室が原則となっており、プライバシーが守られた個人の居室と、他の入居者やスタッフと自然に交流できる共有のリビングスペースが有機的に組み合わされています。スタッフは特定のユニットに専任で配置されるため、入居者との間に深い信頼関係を築きやすく、本当の家族のような温かい繋がりの中で日々の生活を支えることができるのです。
このように、単なる身体介助を提供するだけの場所ではなく、入居者にとっての「安らげる住まい」であり続けることが、ユニットケアが目指す究極の目的といえます。
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